滋賀県高島市北部(旧安曇川町・新旭町・今津町・マキノ町)の古墳


田中古墳群

 旧安曇川町田中の田中神社北側丘陵一帯に分布する43基からなる群集墳で、帆立貝式1、前方後円墳1、円墳4のほかはすべて方墳です。中心に位置する1号墳(田中王塚古墳)は後円部径58mの大型帆立貝式古墳で、五世紀後半の築造、現在は陵墓参考地として宮内庁が管理しています。市道沿いにある36号墳は2007年の調査で、横穴式石室が検出されました。全長6.8m、玄室長3.4m、幅1.9mの右片袖式で、玄室の奥に奥室が設けられた特異な構造をしています。

田中王塚古墳(1号墳)

田中王塚古墳陪塚(2号墳)

調査された36号墳

36号墳石室、玄室奥に奥室があった(右端)


熊野本古墳群

 旧新旭町熊野本横林の丘陵上に38基(前方後円墳1、前方後方墳1、方墳12、円墳24)の古墳が分布しています。過去に6号墳(前方後方墳)、12号墳(前方後円墳)が調査され、ともに発生期の土器が出土しました。

6号墳

12号墳


王塚古墳

 県指定史跡。旧今津町日置前、国道161号バイパス日置前大塚交差点西の高島消防本部そばにあります。径56mの大型円墳で、一部に周溝も残っています。古い写真では、墳丘がむき出しになっていますが、現在は植林されて、周囲も薮に覆われ、見学困難、案内板も一切なし。とても県史跡とは思えない惨状です。

 

日置神社古墳群

 旧今津町酒波の日置神社背後の山林内にある古墳群です。現在確認できるのは神社すぐ裏と、林道沿いにある小円墳2基くらいです。

神社裏の円墳、石材散乱

林道沿いの円墳


北牧野古墳群

 旧マキノ町牧野の広い範囲に分布する150基以上からなる大群集墳です。見学しやすい古墳はマキノ高原民宿村の大駐車場北側の山林の中にあります。県道287号線が林を分断していて、その両側に円墳がいくつか群集し、石材が散乱しています。また、駐車場の中に、石室の基底部が露出しています。

県道に削られた円墳

県道東側の円墳

県道西側の円墳

県道西側の円墳2

林の西側の川沿いにある円墳

駐車場に露出した石室の基底部

西牧野古墳群

 旧マキノ町牧野、県道287号線南牧野バス停の西500mの山裾にある4支群47基の円墳からなる群集墳です。うち、中央に位置する最大のB支群は、なだらかな傾斜面に大きな円墳3基とそのまわりに多数の小円墳が密集していますが、ほとんど未調査で、石室の開口しているものもほとんどありません。そんな中で、唯一、斎頼塚古墳のみが横穴式石室が完存しています。

山林内に墳丘が累々と密集しています

最大の円墳17号墳、石室は埋まっている

13号墳、ほとんどの古墳がこんなかんじで石材が散乱している

4号墳、これは保存が良いほう

 斎頼塚(しょうらいづか)古墳(41号墳) 【管理人推薦】

 群中唯一、横穴式石室が完存している古墳で、しかも他の古墳とは違い、東に突き出した低い尾根先端部に築かれています。径14mの円墳で、石室は全長約7m、玄室長4.9m、幅2m、高さ2m、羨道長2m、幅1mの右片袖式、ブロック状の石材を積み上げ、奥壁には巨大な石棚を架設しています(県内では二例のみ)。さらに特異なことに、左側壁の奥壁前と袖部に板石を立てていて、屍床の仕切板としていますが、石棚も含めて、これらは明らかに九州の古墳の特色です。立地や構造から群中でも他の古墳とは明らかに差があり、盟主墳と言って良いでしょう。

石室開口部

奥壁、巨大な石棚架設、右下に仕切石がある

玄門部、右片袖式

袖部に、板石を立てている。


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