調査研究室「高取城石垣転用石群」


 高取町高取の国史跡「高取城跡」は、日本でも有数の山城で、江戸時代の石垣がほとんど当時のままで残されています。その中でも本丸を形成する石垣群の中に、古墳の横穴式石室の石材を転用したと思われるものが多数見受けられます。特にコーナー部分を構築する石材には、明らかに自然の割石とは違い、表面の平滑性が高く、不必要な位置に加工されていたりするものがあり、これらはすべて転用材と考えられています。これらの石材は橿原市五条野町の区画整理事業で発見された五条野古墳群から持ち出されたものとする河上邦彦さんの説が有力です。

 本丸北側の虎口

斜めの加工痕のある石材

平滑で、面取りされた石材が多数使用されている

 本丸天守、小天守石垣

平滑で、面取りされた石材

溝状の加工痕のある石材

平滑で、面取りされた石材

 本丸南側の石垣

平滑で、割られた跡のある石材

平滑で、割られた跡のある石材、斜めの加工痕もある

 本丸西の新櫓石垣

平滑で、溝状加工痕のある石材

平滑で、溝状加工痕のある石材


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