兵庫県高砂市・竜山1号墳

石の宝殿を築いた集団の首長墓は終末期古墳の第一級資料


竜山1号墳(兵庫県高砂市阿弥陀町生石) 

 現地説明会2009年8月22日/高砂市教育委員会・大手前大学史学研究所

 県史跡「石の宝殿」を国史跡に申請するための周辺遺跡調査で、すぐ南西にある竜山1号墳が調査されました。これまで、竜山石製のくり抜き式家形石棺の身と蓋が南斜面に露出した状態でしたが、隣の小マウンドを発掘したところ、小型の切石積横穴式石室が発見されました。墳丘は斜面の岩盤を削って造成した径8mほどの円墳で、そこにブロック状に整形した切石を組んで横穴式石室を築造。長さ1.5m、幅0.95m、高さ1.26m以上の規模で、床面には石棺を置いた痕跡がありました。石室は後世に大きく破壊され、天井石は消失、石棺も、石室から動かされています。副葬品はありませんでしたが、石の宝殿などを築いた終末期の石工集団の首長墓と思われます。終末期の古墳で、石室とくり抜き式石棺の身、蓋が現地でセットで見つかるのは、大変珍しく、第一級の資料であり、これだけでも史跡クラスの発見になります。

石棺の蓋と身の現状

石棺のすぐそばに石室がありました

横穴式石室正面から、左側壁側は未調査

石室側面から


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