生きてて良かった!高さ全国二位の石室を54年ぶりに公開


■和歌山県和歌山市下和佐「天王塚古墳・第2次」

 2018年3月3日 現地説明会/和歌山県立紀伊風土記の丘

 国特別史跡・天王塚古墳は岩橋千塚古墳群中でも最大の六世紀中頃の前方後円墳で、かつ最大の横穴式石室を有しています。石室は1964年に調査された後、埋め戻されていましたが、今後の整備公開に向けた発掘調査が今年度行われ、54年ぶりに石室が公開されました。石室は全長10m、玄室長4.22m、幅2.89m、高さ5.9mの両袖式で、玄室前道があり、玄室奥壁には二枚の石棚が架けられています。玄室高は大野窟古墳に次いで国内で二番目の高さがあり、結晶片岩の板石を積み上げた途中に八本の石梁を架けることで構築しています。床面には玉石が敷かれ、排水溝が石室外まで続いています。発掘調査時も雨水の排水に機能していたそうです。床面には八枚の板石が散乱していましたが、遺骸を置く施設だったと考えられています。

後円部の深い位置に開口

横穴式石室入口

羨道から玄門、扉石が手前に倒れている

玄室奥壁、石棚の下に置かれた石材は屍床用と思われる

玄室奥から玄門

玄室奥壁側の石棚、石梁

玄室天井、高い空間を8本の石梁で支えている

羨道から羨門


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