鳥取県鳥取市中部の古墳
◆古郡家1号墳石棺
鳥取市古郡家字上ノ山の尾根上にある全長90m、後円部形51mの中期の前方後円墳で、因幡では最大級です。1960年に後円部のみ調査され、粘土槨1、箱式石棺2基が検出、銅鏡、装飾品、武器などの豊富な副葬品が出土しました。箱式石棺が現在、県立博物館に移築されています。また、出土品【県指定文化財】も同博物館に展示されています。
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鳥取市橋本、橋本公民館のある交差点の南東の民家裏にあります。封土はほとんど失われ、横穴式石室がわずかに残っています。玄室中央にくり抜き式家形石棺が安置されています。砂岩製で、身は2.2×1.06×1.15mの大きさ。蓋には左右三個ずつ縄掛突起がついていて、底には切石が敷かれているとされています。石棺内部は精巧に加工されています。
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羨道左側壁の線刻、左から舟、弓を引く人物、不明紋
鳥取市広岡369、国道29号線バイパス広岡交差点から南へ曲がり、道が登りにかかるところで、川沿いに右へ曲がって150m先の右側の林の中にあります。径13mの円墳で、横穴式石室が開口しています。全長7m以上、玄室長3m、幅2m、高さ2m以上、羨道幅1.5mの右片袖式で、玄室天井は中高式です。玄室奧、左右側壁と羨道左側壁に多数の線刻画が描かれています。羨道左側壁前側の石材に放射状紋、後ろ側の石材に舟、有名な弓を引く人物など。玄室左側壁に放射状紋など、玄室奥壁に船、格子紋など、玄室右側壁に平行線、鳥などが確認できます。しかし、人物以外は不明確です。
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鳥取市古海、国道29号線バイパス古海交差点の西400mの山裾にNIPPOコーポレーション工場があります。その前の道を西へ進むと、土砂が積まれた谷間があります。その土砂を越えて、北の谷間の山林の中を登っていった中腹斜面にあります。かなりわかりにくく、危険なので、このルートはあまりお奨めできません。墳丘はほとんど失われていますが11m×13mの方墳と考えられています。巨石を使用した全長5.1mの横穴式石室(横口式石槨)が露出。玄室は、天井と壁をくり抜いた凝灰岩の巨石を床石の上に伏せて置き、その前に巨石で羨道を付加しています。鬼のまな板・雪隠古墳と似ていて、畿内との関係をうかがわせますが、出土遺物はまったく伝わっていません。七世紀中頃の見事な終末期古墳です。
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鳥取市古海、山ヶ鼻古墳のある丘陵上には、全長67mの前方後方墳である36号墳を初めとする古海古墳群が分布しています。しかし、標識など一切ないので、探索するのは困難です。
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鳥取市布勢566。湖山池東岸、鳥取緑風高校の南の丘陵上に築かれた全長60m、後円部径30mの前方後円墳で、段築、周濠はなく、北側くびれ部に造出しがつきます。未調査のため埋葬施設は不明ですが、後円部墳頂には盗掘坑があります。採集された埴輪片などから六世紀前半の築造と推定されます。
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鳥取市倭文、倭文簡易郵便局の南の丘陵先端に築かれた古墳群で、中国横断自動車道姫路鳥取線の事前調査で、新規発見された2〜9号墳が調査されています。2〜5号墳は長方形墳、6〜7号墳は円墳で、尾根筋を整形した上に盛り土で墳丘を構築しています。主体部は岩盤を掘り込んだ土壙内に木棺を納めていて、7号墳は2基、5号墳は5基、ほかは1基ずつ検出されました。6号墳からは短甲が完全な形で出土しました。
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尾根上に連なる古墳群
鳥取市松原の丘陵上に築かれた古墳群で、中国横断自動車道姫路鳥取線の工事に伴う2008、2009年の調査で合計21基の古墳が調査されました。うち、2008年の調査では、後期の円墳8、方墳2基が確認されました。主体部はほとんどが木棺直葬で、副葬品は土器以外はほとんど出て居ません。
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松原古墳群の中で、最後に築かれた28号墳のみが横穴式石室を主体部としています。全長7.3m、玄室は3.3m×1.5m、羨道は4m×1.1mの右片袖式で、天井を失っていましたが、閉塞石は残っています。周辺では最大の石室ですが、すでに盗掘されていて、須恵器少々と耳環が出土した程度です。
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