木棺三基埋葬した新発見の横穴式石室


■奈良県天理市豊田町「豊田狐塚古墳」

 2016年4月9日 現地説明会/天理市教育委員会文化財課

 都市計画道路別所丹波市線の予定地内の調査で、昨年の豊田トンド山古墳(08D-306)に続き、豊田狐塚古墳(08D-305)が調査されました。布留遺跡を見下ろす丘陵上に築かれた径20mほどの円墳と思われ、横穴式石室が検出されました。玄室長4.4m、幅2.2m、玄門幅0.8mの両袖式で、小型の石材を使用しています。羨道は、調査範囲外なので、今回は調査されていません。床面には礫が敷詰められ、三基の木棺の痕跡が残っていました。奧壁前の北棺からは土製丸玉・水晶製切子玉など、西側壁前の西棺からは琥珀製平玉・銀製空玉など、東側壁前の東棺からはガラス製小玉が出土しています。また、東側壁と棺の間には馬具が置かれていました。状態の良い須恵器が50点以上あり、六世紀中に築造され、後半まで追葬が行われていたようです。

墳丘

横穴式石室の玄室奥壁

玄室奥から玄門

西棺からの出土遺物

北棺からの出土遺物

東棺と左側壁の隙間にあった馬具


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