愛知県豊橋市南部の古墳


大亀古墳群

 石巻町の石巻小学校南東1kmの北向き斜面にあり、34基が確認されています。山裾の道路沿いにある三叉路の資材置き場のすぐ裏の山林内です。すべての古墳が盗掘されていて、陥没した径10m以下の墳丘が密集しています。

比較的大きな墳丘

石材の残る墳丘1

石材の残る墳丘2

石材の残る墳丘3


相生塚古墳

 豊橋市東鷹野三丁目の住宅地の中にあります。2013年に調査され、未盗掘の横穴式石室が発見されました。古墳は径17mの円墳で周溝が巡り、六世紀中頃の祭祀用の須恵器群も二ヶ所で検出されました。横穴式石室は天井部、奥壁が抜かれていますが、それ以外は閉塞石も含めて完璧に残っていました。全長7.3m、玄室幅1.4m、高さ1.3m以上の無袖式で、床面には礫が敷き詰められています。副葬品はすべて原位置を保っていて、奥壁付近に土師器甕2、管玉のネックレス、鉄鏃、ベンガラ、中央付近に管玉、須恵器広口壷、ベンガラがあり、被葬者は二人以上と思われます。また、入口付近にも土師器が置かれています。

墳丘、周溝に葺石が落下している

周溝内の祭祀用須恵器群

閉塞石、手前の面が揃っている!

石室奧から

奥壁付近の副葬品

石室中央付近の副葬品


東田古墳

 豊橋市御園町の御嶽神社境内が墳丘となっています。五世紀頃の全長40mの前方後円墳です。

 


稲荷山古墳群

 多米町の県道4号線沿い、公民館東200mの低い丘陵上に連なった4基からなる古墳群ですが、過去に3、4号墳は調査後消滅しています。団地造成に伴い2008年には1、2号墳が調査され、調査後破壊される予定です。1号墳は尾根西端にある17m×14mの楕円形墳で、周溝が巡ります。墳丘は一見、二段に葺石が貼られているように見えますが、実は葺石ではなく、墳丘内部の補強のために築かれた石垣状の石積みです。その外側に盛り土があったはずですが、すでに流失してしまっています。このような構造は、昨年岡山県赤磐市の八塚古墳群でも見つかっています。石積みの保存状態は非常に良く、下から見上げると、まるで積み石塚のようです。主体部は近隣の日吉神社古墳に似た横穴式石室で、玄室長4.7m、幅1.6m、高さ1.8m、羨道長4.22mの右片袖式で、かなり狭長です。須恵器が出土しており、六世紀後半の古墳と思われます。40m東にある2号墳は、径16mほどの円墳で、周溝が巡ります。横穴式石室はかなり破壊され、基底部の一部しか残っていませんでした。全長7m以上、幅1.8mくらいで玄室はやや胴張りです。保存状態は良くないのですが、2号墳でも、墳丘内石積みが築かれていました。1号墳とほぼ同時期の古墳です。

1号墳(oobuta氏提供)

2号墳石室(oobuta氏提供)


日吉神社古墳群

 豊橋市の東端、岩崎町の日吉神社境内にあります。1号墳は社殿右に横穴式石室が開口しており、あまり加工しない小型の石材を積み上げた全長5mくらいの石室が見学可能です。社殿左側に2号墳と思われるマウンド、石材があります。

1号墳石室

1号墳玄室

1号墳羨門部、右片袖式で羨道は短い

2号墳か?


西荒神古墳群

 豊橋市中原町、谷川小学校から西へ300m登っていった果樹園隣の竹林の中に3基の古墳が残されています。いずれも径10m未満の円墳で、1号墳は中央が陥没しています。東端の3号墳で石材が少々散乱しています。

道路脇のこの竹林の中にあります

1号墳、陥没あり

2号墳、半壊

3号墳、石材散乱


車神社古墳

 豊橋市植田町の車神社社殿裏にある六世紀頃の全長42mの前方後円墳です。主体部は横穴式石室で社殿そばに石材が散乱しています。

 


市杵嶋神社古墳

 豊橋市牟呂市場町の市杵嶋神社境内が墳丘です。全長60mの前方後方墳ですが、古墳としての面影はまったくありません。

 


三ツ山古墳

 

 豊橋市牟呂町の三ツ山児童公園の中に保存されています。全長36m、後円部径19mの前方後円墳で、周溝が巡り、前方部がよく発達していますが、現状は大きく改変されています。後円部と前方部にそれぞれ横穴式石室が築かれていましたが、後円部のものは大きく破壊されていました。この地方の古墳には珍しく、埴輪が多く見つかっています。元々は6基からなる古墳群でしたが、現存するのはこの古墳だけです。

後円部から前方部

前方部から後円部

後円部から前方部


境松遺跡

 豊橋市牟呂町の境松・若宮遺跡は弥生中期〜古墳前期の拠点集落で、かつては三河湾に面した丘陵状の半島でした。開発により、埋没古墳が次々と見つかっています。2010年の区画整理に伴う調査では三世紀前半の方墳が発見されました。一辺10mで盛り土はすでに失われ、埋葬施設も消滅していましたが、周溝が綺麗に残っており、溝から加飾壷などが出土しました。ほぼ完形で、穿孔されており、墳丘に置かれた祭祀用の土器が周溝に転落したものと思われます。

三世紀の方墳

方墳から出土した加飾壷

弥生末期の方形周溝墓

 

 2016年の調査では墳丘を失った円墳が発見されました。径18.5m、周溝の幅3mで、出土した土師器から三世紀後半と判明しました。東海地方では、初現期の古墳は前方後方墳か方墳がほとんどで、愛知県では初の発見になります。東海勢力の中にあって、海に面した境松遺跡の住人が畿内の勢力と独自に交流していたことが想定される貴重な発見となりました。

円墳の周溝

円墳出土土器


宮脇1号墳

 豊橋市老津町の老津神社境内にあります。祈祷受付所の横に全長7.1mの横穴式石室が露出していますが、近くに小学校があることもあり、現在閉鎖されています。


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