赤穂市・塚山古墳群第 Ia 支群
第I支群6号墳が県史跡。赤穂市有年牟礼、集落から北の谷間へ約1km、西側の山裾の道路沿いに説明板があり、そこからフェンス入口を入っていくと塚山古墳群第I支群があります。かつては19基からなる群集墳と思われていましたが、第II、III支群の存在が記録にはあり、全体像は不明確でした。しかし近年、第I支群から奧の谷間や背後の斜面が間伐され、2009年に測量調査が行われた結果、第I、II支群の全容があきらかになりました。第III支群は、さらに奧に存在すると思われますが、未調査のため不明です。第I支群は28基からなり、五つの小支群に分かれます。 【管理人推薦】
◆1号墳
径14mの円墳で、背後に周溝があります。横穴式石室は羨道部が崩壊していますが玄室は完存。推定全長8.6m、幅1.5m、高さ1.95mの無袖、または右片袖式です。
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◆2号墳
1号墳の西隣りにあり、東側の周溝を1号墳に破壊されているそうです。径11mの円墳で、横穴式石室は羨道が埋まり、玄室は土圧でかなり狭くなっています。石室推定全長6m、幅1.1m以上の無袖式です。
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◆3号墳
2号墳のすぐ北にある3号墳は径12mの円墳ですが、墳丘は破壊され、横穴式石室の残骸が露出しています。推定全長6.9mです。
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◆4号墳
4号墳は、3号墳の東に隣接する径10mの円墳ですが、周溝を共有し、墳丘が繋がっているので双円墳の可能性があります。横穴式石室は比較的残っていて、全長6.9m、玄室長3.2m、幅1.4m、高さ1.9m、羨道幅1.2mの右片袖式です。奥壁はぴっちり二段、袖部は柱石を立てて、幅がほとんどありません。
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◆9、5号墳
4号墳の東隣りに9、5号墳が並んでいます。9号墳は径6mの円墳で、中央がわずかに陥没しています。5号墳は径10mの円墳で、陥没した石室跡に石材が1個だけ見えています。両者は周溝を共有しているため、こちらも双円墳の可能性があります。
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◆6号墳
県指定史跡。墳丘・石室ともに群中最大の盟主墳です。かつては方墳とされていましたが、測量の結果、背後に丸い周溝をもつ径17mの円墳で、前面のみ石列で直線状に整えられていたと考えられます。横穴式石室は玄室途中に間仕切りを持つ複式構造で、推定全長11.4m、玄室長6.7m(うち奥室長3.0m)、幅2.5m、高さ2.4m、羨道長4.6m、幅1.36m、高さ1.7mの右片袖式です。袖部は柱石を立てています。羨道天井が失われています。
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