赤穂市・塚山古墳群第 IIab支群


 支群6号墳が県史跡。赤穂市有年牟礼、集落から北の谷間へ約1km、西側の山裾の道路沿いに説明板があり、そこからフェンス入口を入っていくと塚山古墳群第支群があります。かつては19基からなる群集墳と思われていましたが、第II、III支群の存在が記録にはあり、全体像は不明確でした。しかし近年、第支群から奧の谷間や背後の斜面が間伐され、2009年に測量調査が行われた結果、第II支群の全容があきらかになりました。第III支群は、さらに奧に存在すると思われますが、未調査のため不明です。第II支群は第支群の北側の緩やかな谷間の斜面にあり、5小支群16基からなります。調査の結果、第支群よりも多くの横穴式石室が良好に残っていました。 【管理人推薦】

  

1号墳

 Ib支群の18号墳から、山沿いに北側の谷間に入ると、すぐにIIa支群の1号墳があり、そこから一直線に6号墳までが並んでいます。1号墳は径8mの円墳で、横穴式石室は石材の多くを失い、埋没しています。全長5.8m、幅1mくらいの規模で、奥壁付近だけが完存しています。周辺にも石材が散乱しています。

古墳の正面から

玄室奥壁

2号墳

 となりの2号墳は径9mの円墳で、墳丘はわりと残っていますが、横穴式石室の入口はほとんど埋まっています。隙間から覗くと内部は小さいながら立派な石室で保存状態は良好です。

古墳の正面から

玄室奥壁

3、4号墳

 3号墳は径6mの円墳で、横穴式石室は破壊され、内部は埋まっています。4号墳は径7mの円墳で、封土が流失し、横穴式石室が露出しています。羨道は埋没し、玄室もほとんど埋まっていますが、天井石がきれいに並んでいます。全長5.5m、幅0.9mの無袖式です。

3号墳

4号墳

4号墳玄室付近

4号墳天井石

5号墳

 少し標高の高い位置にある5号墳は径5mの円墳で、墳丘の前面に石列が残っています。横穴式石室は2.8m×0.6mくらいの大きさで、ほとんど埋没しています。

古墳の正面から

玄室

6号墳

 5号墳から、さらに登っていくと山林に囲まれた6号墳があります。径7mの円墳で、前面に石垣が築かれ、横穴式石室入口と繋がっています。石室はほぼ完存しており、全長4m、幅1m、高さ1.2mの無袖式です。間伐されているのはここまでですが、この奧の林の中にもまだ古墳がありそうです。

古墳正面

石室内部

奥壁

奧から

7号墳

 1号墳にもどり、山林の中を東へ50m進むと、横穴式石室の天井石が1個露出しています。これが7号墳で、径7mの円墳ですが、墳丘はほとんどありません。石室は一部だけが残り、全長4m、幅0.8mくらいの規模です。奥壁は失われています。

石室正面から

石室内部


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