三重県松阪市(旧嬉野町)の古墳


片野池1、3号墳 【市史跡】

 松阪市(旧嬉野町)天花寺、片野池古墳群はもともと4基ありましたが、1、3号墳が虹が丘団地の南端の公園内に保存されています。1号墳は径30mの中期の円墳ですが、帆立貝式古墳の可能性もあります。3号墳は径14mの円墳と思われます。なお麓に石室らしい石組がありますが、説明板が一切無く正体不明です。

  


上尾戸古墳群

 松阪市(旧嬉野町)釜生田。県道30号線を西へ向かい、中村川を渡った釜生田集落の長照寺を西へ曲がり、突き当たりの山麓の道を北側へ回り込んでしばらく行くと、古墳群への標識がある沢の入り口に着きます。右側の階段を登っていくと、尾根沿いに横穴式石室墳が並んでいます。先端側から上尾戸A1、4号墳は石室がほぼ完存、5号墳は半壊、6号墳は全壊しています。谷をはさんだ東側の尾根にもB支群がありますが、こちらは整備されていません。

A-4号墳、右奥にA-1号墳

A-1号墳石室

A-4号墳奥壁、側壁はやや持ち送り

A-4号墳前壁、謎の梯子が・・・

A-5号墳

A-6号墳


釜生田古墳群B支群

 松阪市(旧嬉野町)釜生田。メトロポリタン倶楽部ゴルフ場の北に隣接する山林の中にあります(ゴルフ場は2015年1月に閉鎖されました)。A〜D支群に分かれますが、資料と現状が一致しないので、全体像が良くわかりません。北側を走る県道580号線に、「古墳四十八塚」の標識があり、そこから農道を南に行くと山林への入口があり、柵を越えて道なりに登っていき、山林の中に入ると、左奧にB6号墳があります。墳丘は不明確で、横穴式石室が露出しています。石室はかなり崩壊しています。

B6号墳、石室正面

B6号墳、玄室

B6号墳、石室天井石奧から

 B6号墳から西へ、荒れた竹林の中を登っていくと、道沿いにB1号墳?があります。B支群では唯一入室できる横穴式石室が開口していますが、B1号墳石室の実測図と合致しないので、ほんとにB1号墳なのかどうか、不明です。墳丘は上部を失い、天井石が露出しています。石材は小型ですが、玄室は天井が高く、完存しています。

B1号墳?

B1号墳開口部、狭いです

B1号墳玄室奥壁

B1号墳玄室奧から

 B1号墳から山道を挟んだ向かいの竹林中にB3号墳があります。径10m弱の円墳で、横穴式石室の天井石が露出しています。内部は完全に埋まっています。

B3号墳

B3号墳、石室天井石露出

 B1号墳から山道を奥へ進むと、すぐ左側の道沿いに2基の古墳が見られます。B7、8号墳と思われます(未確定)。ともに墳丘はほとんど無く、崩壊した小型の石室が露出しています。B7号墳は玄室奥壁付近だけがかろうじて残っています。B8号墳は天井石が露出しています。

B7号墳

B7号墳、玄室奧壁付近

B7号墳、玄室奧壁

B8号墳、石室正面側

B8号墳、玄室付近

B8号墳、玄室内部

 B1号墳から山道をはずれて、尾根筋を登っていくと、B2号墳があります。横穴式石室の天井石が並んで露出しています。内部はかなり埋まっています。

B2号墳

B2号墳、石室内部

B2号墳、玄室付近の天井石


釜生田古墳群A支群

 B支群から山道を進み、谷間を越えて次の尾根筋にA支群があります。尾根先端に山道を挟んで右の山側に5号墳、左の斜面下に6号墳があります。6号墳は急斜面にあり、墳丘がかなり流失。横穴式石室の天井石が露出しています。内部はかなり埋まっています。

A6号墳、天井石が露出

A6号墳、石室内部

 山道の山側にA5号墳があります。A支群では唯一横穴式石室が開口していますが、資料の石室実測図と一致しないので、ほんとにA5号墳なのかどうか、ここも不確定です。径15mほどの円墳で、横穴式石室の天井石が露出しています。石室入口は狭く、玄室も土砂が少し流入しています。玄室長4m、幅2m、高さ3mほどの大きな玄室で、上部を大きく持ち送っています。

A5号墳、石室正面

A5号墳、玄室奥壁

A5号墳、玄室奥から

A5号墳、玄室奥壁付近の天井石

 A5号墳のすぐ上にA4号墳があります。小型の横穴式石室が露出していますが、内部は埋まっています。さらに上にあるA3号墳は石材がいくつか露出している程度です。

A4号墳、石室正面付近

A4号墳、石室側面から

A3号墳、石材露出


ウツノ古墳群

 釜生田古墳群A支群から尾根筋を登っていき、尾根の分岐路で右側の尾根筋を少し下ったところにウツノ古墳群があります。3基とされていますが、2基の横穴式石室が露出しています。下側の石室でわずかに内部が覗けます。

尾根の上側の古墳、3号墳?

尾根の下側の古墳、2号墳?

2号墳、石室正面

2号墳、石室内部


滝之川古墳群

 元、松阪市(旧嬉野町)滝之川集落西方400mのまんじゅう山に存在した古墳群ですが、ゴルフ場建設に伴い5基が調査されました。うち、1、3号墳と1号石組が滝之川集落から三重フェニックス&リゾートゴルフクラブへ向かう道路の途中の古墳公園内に移築保存されています。1号墳は全長約7m、幅1.5m、高さ2mの右片袖式、3号墳は全長約9m、幅1.5m、高さ2mの右片袖式です。古墳群の入り口にあたる位置に巨石を使用した墓標のような石組が二組検出され、祭祀遺構ではないかと言われています。

右が1号墳、左が3号墳石室、中央手前が祭祀跡と思われる1号石組

1号墳石室

1号墳奥壁

3号墳石室

3号墳奥壁


向山古墳 【市史跡】

 旧嬉野町と松阪市の境界上に位置する全長71.4mの前方後方墳で、四世紀後半頃の築造です。墳丘には葺石が認められます。


天保1号墳

 伊勢自動車道建設に伴う発掘調査後、嬉野中学校校庭に移築されました。径15mの円墳で、横穴式石室は玄室長3.7m、幅2.2m、高さ2.2m、羨道長3.1m、幅1.2m、高さ1.6mの右片袖式で花崗岩と砂岩を使用し、天井石は失われていました。

移築石室正面

玄室奥壁

玄室奧から


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