岡山県和気町(旧佐伯町北部)の古墳


新田山古墳群 【町史跡】

 

 旧佐伯町佐伯。佐伯の街の西の見晴らしの良い丘陵上にあり、五世紀頃の4基の円墳からなりますが、4号墳は消滅しています。最近、林が伐採され、見学しやすくなりました。1号墳は径25mの円墳で、主体部は竪穴式石室と思われます。2号墳は径35mの大きな円墳で、墳頂は盗掘孔で凹んでいます。3号墳は径20mの円墳で、板石が散乱し、主体部は竪穴式石室と思われます。

1号墳

2号墳

3号墳


庵の前古墳

 旧佐伯町谷田部。新田山古墳群の北西、山麓を東西に走る町道沿いにあります。墳丘はほとんど失われており、横穴式石室が開口していますが、前側が一部消失しているようです。現存長6.85m、幅1.95m、高さ1.5mの無袖式で、玄室と羨道の区切りはありません。


戸瀬池古墳

 旧佐伯町矢田部、下仲尾古墳群から一つ山を越えた東の谷間に戸瀬池があり、その水際に石室が露出しています。堤防の中程まで行かないと見えません。

 

 2013年の冬に、戸瀬池の水が抜かれ、期間限定で石室の見学が可能となりました。玄室サイズ5.5m×2.4m×2.2m以上(古墳奮闘より)の両袖式。側壁は巨石は少ないですが、ほとんど垂直にしっかりと積み上げ、内面は平らに仕上げています。天井石も真平らですが、一石割れています。羨道は崩れていて、左側壁の一部だけが残っています。それにしても、ああ、見れて良かったー、と思わせる石室です。

期間限定で歩いて行けます。

見上げる形なのでド迫力の石室正面

玄室奥壁、水没時の水際がよくわかる

石室の奧から、両袖式


矢田部稲荷山古墳群

 旧佐伯町矢田部、戸瀬池の北500m、矢田部集落の最奧からすぐ東の林との境に1号墳。さらに東100mの墓地横に2号墳があります。1号墳は横穴式石室が露出していますが、内部は崩壊し、かなり埋まっています。

1号墳、天井石が露出

石室内部

 2号墳はフェンスのすぐ中にあり、横穴式石室が露出しています。羨道は崩壊していますが、羨道途中の側壁が開口し、玄室へ入室可能です。玄室長5.3m、幅1.8m、高さ1.6m以上(古墳奮闘より)、袖部は埋まってわかりません。奥壁付近は良好に残っていて、側壁もほぼ垂直に積み上げ、表面を平らに仕上げています。しかし前側は崩壊寸前。あまり入らない方がよいでしょう。

石室正面、羨道は崩壊

羨道側壁が開口

玄室奥壁、側壁も表面が平らで垂直に近い

玄室奥から、前側は崩壊寸前


下仲尾古墳群

 旧佐伯町宇生(うぶ)の宇屋集落から北に延びる谷間に入っていくと、道路左側に2基の横穴式石室が開口しているのが見えてきます。ともに墳丘はほとんど流失していますが、奧側が1号墳で、全長9.2m、玄室長5m、幅1.5m、高さ1m以上の右片袖式で、羨道部は破壊され、内部も床面がかなり埋まっています。手前側が2号墳で、石室全長3.4m以上、幅2m、高さ1.3m、羨道部が同じく破壊されています。

道路左側に2基の石室が開口

1号墳

1号墳羨道部

1号墳玄室内部、かなり細長い

2号墳

2号墳石室内部


上仲尾古墳

 下仲尾古墳群の北東200m、市道をさらに進むと、左に谷間に降りていく小道があり、谷川に沿って左へ50mほど進んだ森林内の山裾にあります。現状で径10mほどの円墳で、横穴式石室が開口。全長8.2m、玄室長4.7m、幅2m、高さ1.9mの左片袖式です。奥壁に鏡石を据え、それ以外は小型の石材を積み上げています。

石室開口部

石室内部

玄室奥壁

奧から外


小塚の谷古墳

 和気町宇生、主要地方道岡山吉井線の建設に先立ち2007年に調査された古墳です。斜面に築かれた径9mの円墳で、背面には周溝が掘られ、石室開口部の左右には列石が1m並べられています。横穴式石室は南東に開口。長さ6m、幅1m、高さ1.3mの規模で、須恵器、土師器、鉄器、鉄滓が出土し、製鉄集団との関わりが考えられます。

背後より。斜面に立地

正面より。石室左右に列石

石室正面、立石を入口に立てている

出土した鉄滓


土生上古墳

 旧佐伯町宇生土生、県道53号線北側の集落から三宝荒神社へ登っていく途中左側の段々畑上の南向き丘陵先端にあります。一見、薮と獣避けフェンスに阻まれて存在すらわかりませんが、西側の墓地から接近できます。横穴式石室が開口していますが、南側が崖で羨道は失われています。畑の造成で削られたか?玄室は現存サイズで4.8×1.8×2.1m。奥壁は一枚石で、天井石も大きいです。なお、古墳犬がうるさいです。

石室正面、すぐ後ろは崖です

玄室奥壁、一枚石

玄室奥から


宮の後古墳群

 旧佐伯町田賀、集落を抜けて北へ山沿いに進むと天神宮があり、その北側の道路沿い斜面に破壊された2号墳の石材が一部露出しています。道路工事で破壊されたそうです。

ほぼ中央左端に2号墳の石材が見えている。頂上に1号墳

2号墳の石材

 2号墳のある斜面の頂上に1号墳があります。径10mほどの円墳で、横穴式石室が開口。羨道は破壊気味ですが玄室は完存。玄室長3.5m、幅1.6m、高さ1.5m以上(古墳奮闘より)の右片袖式で、石材は全体に小さめですが、しっかりと積まれています。

石室正面

玄室奥壁、鏡石は埋もれている

玄室奥から


芝下古墳 【管理人推薦】

 旧佐伯町田賀、宮の後古墳群の北200m、道路右側の開けた斜面の奧の林の中にあります。径15mほどの円墳で、横穴式石室が谷間に向けて開口しています。羨道長2.2m、玄室長4.1m、幅1.5m、高さ1.7m(古墳奮闘より)の左片袖式で、入口が少し傾いていますが、玄室は完存。鏡石に巨石を据え、側壁もほぼ垂直にびっちり積み上げた玄人好みの石室です。素晴らしいです。

林にはいると、すぐわかります

石室正面、かなり傾く

玄室奥壁

玄室奥から、左片袖式


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