宮城県涌谷町
■追戸横穴墓群 【管理人推薦】【町史跡】
涌谷町小塚字追戸沢二、涌谷高校の東から、北の丘陵上へ登っていった南斜面にあり、周辺は追戸横穴歴史公園として整備されています。現状でA支群の9基の横穴墓が見学できますが、林の中の未整備エリアには、さらに多くの横穴墓があります。七世紀末〜九世紀の築造で、特に1、2号墓は全国的に見ても大型の横穴墓で、装飾が見られます。また、5号墓にも装飾があります。
全長10.94m、玄室長3.84m、幅3.64m、高さ2.24mの大型横穴墓で、前庭部も含めると全長16.84mにもなります。玄室は切妻屋根形で、コの字に棺台が並んでいます。床には排水溝が設けられ、側壁には柱列状の表現がされています。玄室の側壁には、線刻らしきものがいくつか見られますが、内容はよくわかりません。天井にも紋様があるらしいですが、不明です。全体的にかなり破壊されています。
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A1号墓のとなりの丘陵先端部にあります。全長9.86m、玄室長3.26m、幅3.06m、高さ1.92m、前庭部も含めると全長18.06mのこちらもなかなかの大型横穴墓です。玄室は同様に切妻屋根形で、コの字に棺台が並んでいます。装飾は玄室の棺台や奥壁の下部、玄門の仕切石上部が赤く彩色されています。また、羨道の側壁や天井には1号墓同様、ノミで柱状の表現がされていて、さらに赤色で格子状に彩色されています。全体的に保存状態は良好ですが、残念ながら保存施設のガラス窓越しに見るため、装飾は肉眼ではかなり見づらい状況です。
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A2号墓から、尾根の反対側へ回ると、A3〜9号墓が並んでいます。いずれも長さ4〜5mの小型の横穴墓で、玄室はドーム状とアーチ状に別れています。このうち5号墓【装飾古墳】は羨道の左側壁に十字形の線刻があります。また、9号墓は唯一2基の棺台を備えています。
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A9号墓から、西の林の中へ入っていくと、未整備のC支群が続いています。12基の横穴墓が並んでいますが、A支群と連続しているので、同じ支群と見て良いと思います。
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