熊本県山鹿市鍋田横穴墓群西地区
山鹿市鍋田、国道443号線の岩野川を渡った西詰めの交差点を中心に、そこから北側の川沿いの崖と西側の国道沿いの崖に築かれた横穴墓群で、61基の横穴墓があり、うち16基に装飾があります。見学しやすい横穴墓が多く、特に27号墓は著名で、死ぬまでに一度は訪問してほしい場所です。国道沿いに駐車場があります。
国道433号線沿いの西端にある1〜8号墓は一支群として近接しており、うち、装飾のある6〜8号墓が国道の目の前に開口しています。西側の6号墓は寄せ棟屋根形の玄室で、奥壁に二段に連続三角紋が線刻で描かれています。ほかにも不鮮明な線刻や赤い彩色が残っていますが、紋様はよくわかりません。
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7号墓は玄室がかまぼこ形をしていて、外壁は赤く塗られています。外壁の向かって右上に弓矢の浮彫があります。弓は高さ48cm、矢は長さ34cmで鏃が大きく強調されています。
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8号墓は7号墓から直角に曲がった崖面に掘られ、玄室はほぼ2m四方で寄せ棟形の天井をもっています。向かって左側の外壁に多くの浮彫の装飾が見られます。入口に近い右側のエリアには剣の一部、上下二人の両手を広げた人物像、P字形の紋様が描かれていますが、このエリアの紋様は風化が激しく、わかりにくい状態です。左側のエリアには右から靭、弓、盾二つが横に並んでいます。西側の浮彫は比較的状態が
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少し東に離れて12〜14号墓が一つのまとまりとなっています。12号墓は向かって左側が破壊され、下部は埋まっています。三重の飾り縁が赤く塗られ、装飾は右側の外壁に浮彫が掘られています。右側に靭、その左に鞆、その下に盾が描かれ、特に盾は良く残っています。また、玄室左側壁にも線刻があり、馬ではないかとされています。
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隣の13号墓は入口の周辺や玄室の一部に広く赤色顔料が残っています。向かって左上の外壁の表面が剥がれており、その場所に装飾が存在した可能性があります。
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14号墓は崖面をL字状に削って造られています。そのため、三重目の飾り縁の左側壁が長く、その広い壁面に靭の浮彫が二つ並んで彫られています。保存状態も良く、赤い彩色も所々に残っています。
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国道433号線交差点から山鹿市立博物館へ向かう道沿いには、24b〜26e号墓が並んでいますが、破壊されているものが多く、無惨な状況です。このうち、26b、26d号墓に装飾があります。26b号墓は床下が大きく破壊されていて、横穴本体は側壁と天井部分のみになります。左側壁に線刻で鳥が描かれています。大きさは60cmくらいで、尾羽の表現がよくわかります。
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右に少し離れて、26c〜26e号墓が密集していますが、激しく破壊され、26d号墓も床下が抜かれています。ここは二ヶ所に装飾があり、奥壁には人物像が浮彫で描かれています。外壁ではなく、玄室内に浮彫があるのは珍しい例です。さらに向かって左端に線刻がありますが、紋様は不明です。左側壁にも人物像が線刻で描かれていますが、簡素でカエルのような表現です。
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