兵庫県加東市(旧滝野町・社町)の古墳


黒石古墳群

 滝野町河高の滝野工業団地内に夕日ヶ丘公園として8基が整備保存されています。もとは円墳11基からなり、最古の12号墳は五世紀後半の築造で粘土槨と木棺直葬の3基の主体部があり、六世紀中頃の11号墳は横穴式石室と木棺直葬墓が共存していました。他に10号墳の横穴式石室基底部が移築されています。

10号墳の横穴式石室

10号墳の横穴式石室

公園内の分布図

発掘中の現地説明会の様子


タタラ古墳

 滝野工業団地の入り口に墓地があり、その中に残された1辺14mの方墳です。

 


下ノ山1号墳・四ツ辻古墳群

 滝野町の県立播磨中央公園内にあります。下ノ山1号墳は大池の北側にあり、小型の横穴式石室が開口しています。四ツ辻古墳群は野外ステージの西側に現状保存されていますが、低い墳丘が3つほど残っているだけです。説明板がまったくないので内容はよくわかりません。

  県立播磨中央公園の案内図

下ノ山1号墳

下ノ山1号墳奥壁

下ノ山1号墳羨道部、閉塞石が残っていそう

四ツ辻古墳群


河高八幡参道・地蔵石棺仏(日切地蔵)

 滝野町河高、県立播磨中央公園の西の山林内(地図の左上)に八幡神社があり、その境内に二体の石棺仏があります。それぞれ、同じ組合せ式石棺の底石と小口側の側石を使用したもので、ともに市指定文化財となっています。神社への参道沿いにある地蔵石棺仏は、106×71×15cmの大きさの石棺底石に小さな地蔵立像を浮彫しています。加西市産出の高室石製で、様式化した作風から室町前期のものと思われます。

参道沿いにやや倒れて置かれている

正面


河高八幡神社・毘沙門天石棺仏

 

 上記の八幡神社社殿から、裏山の山頂に登ると、岩山があり、その岩の間に毘沙門天石棺仏が置かれています。54×40×11.5cmの大きさの側石に毘沙門天立像を彫り出しています。技術的には稚拙ながら、ホンワカとした柔らかい表現で、ちょっと高木ブーに似ています。毘沙門天像は播磨では唯一の例で、珍しい石棺仏です。地蔵石棺仏と同じく室町前期頃の作品です。

珍しい毘沙門天石棺仏

裏側の溝

  なお、もう1個、家形石棺の蓋石と思われる石材も発見しました。


滝野歴史民俗資料館石棺

 滝野町河高、県立播磨中央公園に隣接した滝野歴史民俗資料館(上記の案内図参照)の入口前に家形石棺の蓋石が置かれています。かなり薄い石材で、中央に穴があいているのは、何かの棒を立てる土台に使用されていたのかも知れません。新しいタイプの形態ですが、詳細は不明です。

中央に穴が開けられている

側面


吉馬古墳群

 社町吉馬、吉馬バス停から東の谷間の大きなため池周辺に分布しますが、まったく未整備で保存状態も良くないため、見学には不向きです。ため池へ向かう道路の途中、ゴルフ場のゴミ処理場の隣の林の中に、数基の円墳が密集しています。ほとんどが盗掘され、1基だけ石室の一部が露出しています。ため池東側の林の中にも2基ほど古墳がありますが、石材が散乱する程度です。

唯一石室の露出した古墳

わりと大きな墳丘

石材露出した古墳

ため池東側の古墳


西垂水名号石棺板碑

 社町西垂水の集落のはずれ、虫除守護名号堂の中にあります。扉が閉ざされているので、隙間から覗くしか有りません。140×76×12cmの大きさの組合せ式石棺底石に長方形の枠を線刻し、その中に「南無阿弥陀仏」の六字を薬研彫りしています。その両側には本来の溝が残されています。南北朝頃の作風ですが、中世の名号碑としては最古級のものです。割れているのが残念です。

お堂の中央に鎮座

割れています


家原阿弥陀石棺仏

 社町家原、加東市民病院の南東、社町赤岸交差点から北西に階段を下りたところにあります。130×74×16cmの大きさの家形石棺の蓋石に阿弥陀立像を薄肉彫りしています。模式化が進んでおらず、鎌倉時代の様相を残しています。石材は播磨地方では珍しい結晶片岩製です。

古式の様相で、磨滅が進んでいる

裏側


家原石棺

 社町家原、上記の赤岸交差点からすぐ北の交差点を右折し、千鳥川沿いに200m進むと道沿いにあります。組合せ式石棺の底石で、地域の信仰の対象として祭られています。

川沿いに挙立

溝は明瞭に残っている


上三草古墳群

 社町上三草の山側の広い地域に分布しますが、案内標識が全くなく、資料もほとんどないので、古墳を探し当てるのは非常に困難です。唯一、見学しやすいのは、奥地にある牧場の斜面尾根筋に、露出した横穴式石室が並んでいます。

最も保存状態の良い、麓近くの石室

左の石室の奥壁

上の石室の入り口側

斜面中腹の石室

石室が転々と連なっている

斜面上方の石室は崩壊している


上三草阿弥陀地蔵石仏

 

 旧社町上三草、国道372号線と平行して走る集落内の市道沿いにあり、すぐそばにも地蔵摩崖仏があります。摩崖仏とセットで2012年度には加東市指定文化財となる予定です。107×53×20cmの大きさの石材に阿弥陀座像と地蔵立像が左右並んで半肉彫りされています。ほとんど判別できませんが、永和二(1378)年の銘があります。庇が残っている点から石棺材の可能性が高いですが、確証はありません。

正面側

側面側


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