山口県下関市・仁馬山古墳

後円部の築造法が判明・平家蟹さんからの特派員報告です!


●山口県下関市 仁馬山古墳

●2006年10月7日 現地説明会/下関市教育委員会

 下関市延行の国史跡・仁馬山古墳(4世紀末−5世紀初頭)は、全長74.7m、後円部径47.7mの前方後円墳で、史跡整備に向けた基礎資料を得るため、2005年度から調査されています。今年度の調査では、古墳の周辺部と近くの植松古墳の発掘調査を実施しました。その結果、仁馬山古墳の周囲は、ほぼ築造時のままで、古墳裾にはほぼ同時期の埋葬が確認されました。また、東側の谷は近年に大規模に埋められ、現在の地形環境となったこともわかりました。

 また、昨年度の調査で、後円部を切り込んだ溝の断面から、後円部にドーナツ状の土手を造った後で、内部に土を入れ、墳丘を成型した跡が確認されました。このような墳丘の築造法は福岡県小郡市の「三国の鼻1号墳」(4世紀)や大阪府高槻市の「弁天山C1号墳」(4世紀中ごろから後半)など、西日本地区の前方後円墳と同様の方式であることがわかりました。この方式は西日本型と呼ばれ、県内では初の確認になります。

                                                       ■画像提供・平家蟹さん

仁馬山古墳の墳丘

トレンチ断面、円形土手の下の粘土は他所から持ってきたそうです

後円部トレンチ

同時に調査された植松古墳


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